いなかった人

教え子が芸人さんになっていることを偶然知る。得意だったギターはプロフィールの趣味の欄に散歩と並べて書いてあった。SNSに飛んでみると淡々とした告知のあいだにギターや曲作りの動画も上がっていて、ブレない姿勢に元気をもらう。お笑いと音楽が一緒になったフェスはどんどん増えているし、なにより思春期特有の斜に構えた態度や拗らせの一切ない素直な子だったのできっと売れると思う。売れなくてもしなやかに生きていくと思う。

それにしてもプロフィールからSNSへ飛び、SNSを見ているうちに動画に誘導され、さらにはnoteも読んでしまいすっかり彼らのことを知ったつもりになってしまっているし、もっと知りたいと思ってしまっている。なんというかシステムがほとんどアイドルで、うっかりお笑いそのものの沼にはまってしまいそう。それでいて出身校や友人などプライベートなことは一切出てこないからすごい。私はいなかった人として遠くから見守ることにする。

あのときの曲は今でもここにあるのにもう会えない人ばかりだ