光る君へ 最終話

自転車に乗る練習をしに、上の子と近所の公園へ行く。いつも同居人に行ってもらっていたので、私が行くのははじめてだった。大きな木々のあいだから朝陽が降り注ぎ、細かな影が揺れ動いている。その公園からは阪急電車が見えるから、いつかの同じような冬の日、1歳ごろの上の子は地べたに座り込んで、朝陽に輝く電車に手を振っていた。キャーという、言葉以前の言葉を発しながら。

その場所を、上の子は補助輪つきの自転車でぐるぐるとまわっている。もうこれで十分だという気持ちになる。

冬紅葉戻れなくてもいい、ここで 今日の朝陽はいつかの朝陽

帰ってからはTitle辻山さんの『本屋、はじめました』と内沼さんの『これからの本屋読本』を読む。お風呂のあとタオルを干しに外へ出ると、心が入れ替わるような澄んだ空気だった。

『光る君へ』最終回を観終える。平安の終わりと武士の時代の到来を予感させるだけでなく、道長が築いた世の答え合わせをする、かつどことなく今の世とも重なるハイコンテクストな最後のフレーズに撃ち抜かれる。これまでにハイライトはいくつもあれど、あんな斬新なラストだったら皆ずっと忘れないし、時代に不穏な空気を感じとるとき、このラストを思い出すだろうと思う。桜や雪や藤の花、さりげなく丁寧に描かれる折々の自然と、そこにさしこまれる和歌と。風雅な演出に、私は古典が好きだし歴史が好きだし京都も好きだと、毎度毎度思った。

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