HANNAH『うつ病学芸員』

HANNAHさんの『うつ病学芸員』を読み終える。学芸員の著者がうつ病を再発し、療養、復職に至るまでの約1年間の出来事を綴ったエッセイ。話に惹き込まれ一晩で一気に読んでしまった。いったいどれぐらいの時間をかけて執筆されたのだろう、このかわいいイラストを描かれている方はいったい…?と気になることはあれど、そういった本づくりにまつわるあれこれを考えるのが申し訳なくなるぐらいの、渾身の作品。

とはいえ文体は重々しくなくユーモアに満ちていて、そのバランス感覚にきっとこれまでにたくさん本を読まれてきたのだろうなあと思う。そんなHANNAHさんの今日までの積み重ねを花束にして手渡されたような感覚。手にすれば軽いけれども、たくさんの思いが乗っかっている、みたいな。

この本を手に取った風文庫の店主さんは「この本の内容は普段おしゃべりするなかで聞いていた。彼女は話も面白いけれども、文章も面白い」と仰っていて、お話で聞いたら違った面白さがありそう、一度聞いてみたいなと思った。