保育のかたち

昨年まで2年間お世話になっていた保育所を訪れる。この3月で閉所してしまったその場所は片付け途中だったけれども、まだまだ子どもたちと先生の生活の色が濃く残っていた。着くなり先生に「これいる?」とバースデーケーキの形をしたボックスを差し出される。子どもが誕生日のとき、メッセージカードを入れてお祝いをしてもらったものだった。きっと何人もの子どもたちの誕生日で使われてきたもので、そんな幸福の象徴のようなものが要らないものになってしまっているこの状況が悲しかった。

5人の園児を何人もの先生が親のように見守ってくれていたこの園が私は本当に好きで、下の子もここに入れたいがために来年から仕事をしようと思っていた。こうした小規模保育園は市にとってコスパが悪く、どんどんなくなっている(話を聞く限りなくなっているというよりは市によって潰されていっていると感じた)という。先生は時代の流れと言っていたけれども、こうした保育の形がなくなってしまうのは良いこととは思えない。

バースデーケーキのボックスは持って帰って物置にしまった。「おもちゃ入れにして」と言われたけれども、特別な日の特別なアイテムとして使われていたこれは、ずっと特別なままであってほしい。これからは毎年、このケーキで子どもたちの誕生日をお祝いしようと思っている。

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